6月の聴き所

 第551回東京定期演奏会 G・マーラー交響曲「大地の歌」"Das Lied von der Erde"

 6月の第551回東京定期演奏会は、日本フィル客員指揮者のネーメ・ヤルヴィ氏による、G・マーラーの交響曲「大地の歌」です。 アケさん(創立指揮者・故渡邉曉雄氏)、コバケン(常任指揮者小林研一郎)によって育まれた日本フィルのマーラー観を、ヤルヴィ氏がどのように高めて行くのかが、注目するところです。 さて「大地の歌」ですが、全部で6楽章からなり、演奏時間は60分を超し、特にその第6楽章は、30分を超えてしまうという壮大な曲です。 各楽章には、表題が付いています。
 なぜなら、そもそもこの「大地の歌」の元となる詩は、19世紀後半のヨーロッパで流行っていた中国唐代の詩を、ハンス・ベトゥゲ(Hans Bethge)が、シナの笛(Die chinesische Floete)として83編のドイツ語の散文に再形成したものをマーラー自身が手を加えたものです。初演は、1911年11月20日ミュンヘンに於いて、愛弟子ブルーノ・ワルターにより行われました。しかし、マーラー自身は、その5月18、初演を見ずに50年と10ヶ月の生涯を閉じています。
 副題に「テノール、アルト又はバリトン声部とオーケストラの為の交響曲」とあるように独唱テノールは第1、3、5楽章、バリトンは第2、4、6楽章に入っています。
 やはりマーラーです。トランペットやホルンが大活躍する曲です。もちろんオーボエも。
また、2楽章と6楽章には、オーケストラではめずらしいマンドリンが使われています。全曲最後はpppで終わります。但し 休符にはフェルマータは付いていません。静寂を楽しんで下さい。


 第1楽章:大地の哀愁を歌う酒の歌 (李太白)
   (DAS TRINKLIED VOM JAMMER DER ERDE)
 第2楽章:秋に寂しき者 (銭起)
  (DER EINSAME IM HERBST)
 第3楽章:青春について (李太白)
  (VON DER JUGEND)
 第4楽章:美について (李太白)
  (VON DER SCHOENHEIT)
 第5楽章:春に酔える者 (李太白)
  (DER TRUNKENE IM FRUEHLING)
 第6楽章:告別 (孟浩然、王維)
  (DER ABSCHIED)
                                           
蒲谷隆行