田秋先生批評
   田秋先生とは

「田秋先生批評」とは、もちろん「李卓吾先生批評」のもじりです。読み方は「た〜き〜先生」ですが、中国人のフリをして「でんしゅう先生」となることもあります。ま、どちらでもよく、自分でも使い分けがよくわかっていません。
 私は西遊記が大変好きで色々と思いを馳せることがあるのですが、困ったことが一つあります。それは中国語が「読めない、書けない、話せない」ということです。ですから私が手にする西遊記の資料は、元々日本語で書かれたものか、日本語に訳されたものに限ります。原典が読めればどんなに素晴らしいかとも思うのですが、今から勉強をして、太田辰夫氏(西遊真詮の訳者)や中野美代子氏(李卓吾本の訳者)のように中国語を理解できるはずもなく、ここは偉大な知性のお世話になるのが一番、と思っています。ただ中国でも西遊記の研究は盛んで、読みたい論文がいくつもあるのですが、それを自由に読めないもどかしさを感じることが間々あることも事実です。
 さてこのウェブサイトの最終目標は世本西遊記の作者像を探ることにあります。具体的に作者を特定する作業は、とても私の手には負えません。私がやりたいことは、西遊記という物語を通して作者がどういう人間であったのか、どういう知識を持って全体のプランをどのように思い描いていたのか、そういうことを推測することです。ここで私はトーシローの利点を最大限に生かし、思いっきり無責任、思いっきり恣意的に振る舞おうと思っています。また道草は私の最も得意とするところであり、もはや道草とは言えない、東京から大阪へ行くのに、東北新幹線に乗るようなこともきっとやらかすに違いありません。
 どなたにでも楽しんでもらえるようなサイトにはなりそうもありませんが、西遊記仲間が一人でも増えることを願い、頑張って作っていこうと思います。私がどんなに無責任で恣意的であろうとも「西遊記は面白い!」ということだけは天地神明に誓って本当です。